相続土地国庫帰属法や相続登記の申請義務化などで何が変わるの?

令和5年4月1日施工の法律の改正から数年にわたり、所有者不明土地に対する対策が行われる様になりました。

誰が所有しているのか分からない土地が出てこない様に予防して、その土地の利用を円滑化するのが目的の様です。

そもそも登記簿があるにもかかわらず、だれが所有しているのか分からなくなるなんて、マネジメントや仕組みづくりに弱い日本人らしい状況だなと、とても興味深いです。

所有を管理している登記簿でありながら、まるで所有者を管理できなくなっているという痛い状況ですね。

法律に詳しいわけではないので何とも言えませんが、もしかしたら登記簿は所有を管理する概念まではないのかもしれません。

おそらく今までは、ただ単に「権利を主張する場」という位置づけだったのでしょう。

今後は、法律が整備され、より正確になることを望みます。

根拠となる法律は、令和3年4月21日に成立

令和4年4月13日、法務省のホームページに詳しくアナウンスされました。

詳しい内容はリンク先で把握していただければと思いますが、こういう制度改正は内容に複雑な関連があって、なかなか掴みづらいものがありますので、ここでは要点を把握することに努めたいと思います

今後の流れを時系列に書きますと、令和5年4月1日から順に法律が変わります。

流れはこの通り
  • 【令和5年4月1日から施行】所有者不明土地の利用に関連する民法の規律の見直しに項目が入ります
  • 【令和5年4月27日施行】相続等により土地の所有権を取得した者が土地を手放すための制度(相続土地国庫帰属制度)の創設
  • 【令和6年4月1日施行】相続登記の申請義務化や相続人申告登記の創設
  • 【政令は未制定】住所等の変更登記の申請義務化(令和8年4月27日までの政令で定める日までに施行)


ざっくり把握すると、これを書いているのが令和4年5月ですから、あと1年経たずして民法が変わり、約1年後の4月27日に①「相続土地国庫帰属制度」が創設、その後1年後に②「相続登記の申請義務化」がはじまります。

そこで先に施行される「相続土地国庫帰属制度」の概略を把握したいと思います。

①「相続土地国庫帰属制度」とは?

詳しくは下記リンク先を確認頂ければと思いますが、こういうことです。

「相続土地国庫帰属制度」とは、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により取得した土地を手放して、国庫に帰属させることを可能とする制度

所有者不明土地が増えている原因は相続登記をしないことが直接の要因になっているので、相続によって取得した土地に関して、相続を受けた人が申請して承認を受ける制度になるようです。

審査手数料のほか、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金を徴収する

とありますから、相続によって相続税負担が大きい場合は、その負担を軽減するために使えそうです。

一部の不要な不動産を相続した場合であれば、たとえ有償であっても、国庫に帰属してしまった方がお得になります。

相続税負担を軽減して、国庫に不動産を帰属する流れが加速することを国は期待している様に思われます。

ただ、「相続土地国庫帰属制度」だけでは、しっかり相続登記する人には有効ですが、それだけでは不十分です。

相続登記しない人には以前として何も変わりがありませんので、今度は相続登記を義務化する必要があります

②「相続登記の申請義務化」とは?

来年の4月27日から国庫への帰属化をスタートさせて、1年間ランニングしたうえ微調整など行い、翌年の4月に今度は義務化してさらに推進強める流れですね。

「相続登記の申請義務化」とは、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付ける

今現在は相続登記は任意となっており、義務化されていないので登記をしないケースが横行している様です。

これを義務化することでより、相続された人の名義にしっかり書き換えが行われて、現在の所有者がはっきりすることになります。

ということで、①、②ともに相続絡みの所有者変更とそれに伴う土地の国有化を徹底しようということなのですが、良く制度内容を見ると相続関係とは直接関係ない制度が始まる様です。

昔からあってもおかしくない制度なのですが、なぜ今更制度化するのか不思議なくらいです。

ですが、上記①、②よりもおそらくはるかに大事と思われるのが、以下③、④です。

③所有不動産記録証明制度の新設と④住所等の変更登記の申請義務化が面白い!

所有不動産記録証明制度というのは、つまり、

特定の者が名義人となっている不動産の一覧を証明書として発行可能とする制度

ということで、簡単に言うと、今までは所有者の名前を使って土地を検索することができなかったところがこれからは全国的に解決されます。

これで、相続登記が必要な不動産の把握が容易になりますし、自己所有不動産の確認方法としても利用可能になりますね。

たくさん不動産を所有する会社は、この仕組みを利用して自社の不動産を漏れなく管理していくことができそうです。

②「相続登記の申請義務化」がされるにしても、効率的に正確に処理するには、一覧取得できる仕組みが必要なのでしょう。

②と同時に整備される予定の様なので、②を徹底する上でも必要な制度なのでしょう。

またこれはいつ施工されるか決まっていない制度ですが、④「住所等の変更登記の申請義務化」が施行されます。

役所に住所の変更届を行っても、今までは登記簿まで変更されることはありませんでした。

どうするかというと、司法書士の先生に頼んで、お金をかけて住所変更登記を行っていました。

住所もちゃんと変更して、権利をしっかり主張したい人は、有料でも先生に頼んで変更登記を行いますが、お金を惜しめば変更しません。

これでは変更しない人が増えますよね。

今後は、転居や本店移転等に伴う住所等の変更が、簡便な手続で登記に反映される仕組みになるようです。

つまり、③と④に関しては、相続とは関係ない部分で、登記簿の整備が行われることになっています。

④によって登記簿上の所有者の住所が現在住所に最新化され、③によってその所有者が記載される登記簿がすべて洗い替えされるのだろうと想像されますが、いかがでしょうか。

今まで徹底されていなかったのが不思議です。。。(笑)

やはり今までは、「権利を主張するための登記」であったところが、時代背景もあり、もはや価値のない土地は所有者の主張がないので、国が管理を徹底するおもむきに変わっていくのだろうと思います。

国から分かりやすい資料が出ています

法律改正について分かりやすい説明資料が見たい方はこちら

施工期日とその概略についてはこちら

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