不動産屋さんに相談すると、共有持分は売却できませんと回答が来ると思います。
そっか、共有持分は売却できないのか・・・
残念しかたないな・・・
共有持分を売却するには、共有している他の人と相談しなければならない、なんて誤解している人がいます。
これには理由が2つあります。(実は3つありますがそれは最後まで読むと分かります)
①所有権全体を売却するには、他の共有者の同意が必要なので、「売却できません」
不動産屋さんは仲介業務を行っていますので、買い手となるお客様のことを意識しています。
買い手のお客様は、不動産を他人と共有することなく持分全部を所有したいと考えています。
持分全体を所有したいのですから、仲介業務を行う不動産屋さんは、共有持分だけを売ることはできない、となるわけです。
このときに、仲介業務の営業の人は、少し勘違いをしています。
共有持分を売却できないかについて相談しているわけですから、本当はもう少ししっかりご説明しないといけません。
それが次の2点目です。
②共有持分だけを買う人は少ないので、仲介できませんという意味の「売却できません」
共有持分だけを買いたいという一般のお客様は非常に少ないです。
なぜなら、不動産を購入するときには、その不動産を何かしらの用役のために購入します。
共有持分だけを購入しても、他の共有者の協力がないと役に立たない不動産になってしまいます。
一方、仲介業務をメインに行う不動産屋さんは、一般的には普通の買主様に不動産を仲介しますので、共有持分だけを買う人は少ないので、仲介できない、売却できないと考えることになります。
より正確に言うと、仲介が成功して売却できる可能性もないわけではありませんが、ほぼ売却することは無理、ということです。
- 共有持分はもちろん単独で売却できます!
- ただし、弊社は仲介業務を扱いますので、買主様を探したいと思いますが、共有持分だけを購入される方を探すのは難しいです。お断りする場合がほとんどです。
- それとも、共有されている他の共有者の同意を得て、所有権全体を売却するなら現実的です。相談されてみてはいかがですか?
なるほど、これなら理解できますね。
詳しく話を聞いてみないと、どのような意味で「売却できない」と言っているのか、誤解が生まれる良い例です。
ちなみに、共有持分だけを欲しい人はいないのですか?
もちろん、共有持分だけを所有したいと考える人もいます。
共有持分というのは、100の不動産があった場合に、2人の共有者がいれば、例えば2分の1をAさん、2分の1をBさんという様に分割して所有する形です。
親から相続された土地を兄弟で持分を分けた場合もあるでしょうし、新築を購入する際に投入した資金の割合に応じて持分を分けた場合もあると思います。
このような場合に、例えば2分の1のAさんの所有をそのままに、2分の1のBさんの所有を他人に売ることは可能なのです。
そんな中途半端な不動産を買いたい人がいるの?と思われるかもしれませんが存在します。
それは買取を行う不動産屋さんです。
買取を行う不動産屋さんは、その後の不動産の活用のために共有持分を保有することもあります。
不動産屋さんが買うなら安心かも・・・
そうです。上に書いた例でいえば、不動産の2分の1を夫、残りの2分の1を妻が所有している様な夫婦で持分をわけている様な場合があります。
そのような場合に、離婚が原因で「2分の1の片方の持分だけ」を赤の他人に売却してしまうと大変です。
赤の他人の個人様に売却した場合、残りの共有者に対して家賃を請求したり、あらぬ因縁をつけられて不動産を売却できなくなる可能性もあります。
怖いですね・・・
はい。仲介業務の不動産屋さんが、「売却できない」と言う理由の実は3つ目がこれです。
③共有持分を個人に売却するとトラブルのもとになるので、仲介したくないという意味の「売却できません」
ここまで説明する不動産屋さんは皆無です。
①と②で十分に説明になりますので、あえて③について触れることもありません。
不動産屋さんが購入した後はどうなるのですか?
不動産屋が購入した場合は次の何点かのやり方があります。
不動産屋が仕事でやれることはたくさんあります。
経験の長い宅建士の方や不動産屋さんの中には、共有持分を快く引き受けてくれる方がいらっしゃいます。
主に次のような活用方法があります。
- 他の共有者複数人を取りまとめ、一人の共有者に購入してもらう
- 他の共有者複数人を取りまとめ、共有者たちとともに有利な売却活動を行う
- 他の共有者のために不動産管理を行い、賃貸に出す
いずれも、不動産の利活用を促進する重要なお仕事なのです。